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はじめに
クラインゴルドン方程式に負のエネルギーや負の確率が出てしまうは、エネルギー演算子について2次式だからである。ディラックはこの問題を解決するため、求める式は、エネルギー演算子(共変性から運動量演算子も)が線形(1次)であり、さらに相対論のエネルギーと運動量の関係式
ディラック方程式
クラインゴルドン方程式
を参考にして、ディラックが仮定した相対論的な波動方程式は
である。この式の演算子部分を2乗すると、相対論のエネルギーと運動量の関係式、つまりクラインゴルドン方程式となるように
となる。この式がクラインゴルドン方程式を満たすのだから、
となる。一般の数でこの条件を満たすことはできないが、行列なら可能となる。結論を書くと、実際にこの条件を満たす最も簡単な行列の組み合わせは
となり、パウリ行列と単位行列を使って書くと、
となる。
となり、
となる。さらに
となる。
の記号(ファイマンのスラッシュ記法)を導入すると、更に簡潔に書けて、
となる。この相対論的な波動方程式をディラック方程式と言う。また、最初に仮定した式に
のように書くことも出来る。
ディラック方程式の解
ディラック方程式は4行4列の行列を含むので、波動関数
のように書ける。ここである特定の波数
のようにおく。この
の1組の式となる。
となるから、ディラック方程式の一般の解は、
となる。4つの自由度があるように見えたが、
確率のカレント
ディラック共役
と定義する。また、ディラック方程式のエルミート共役は、
となる。ディラック方程式に
の2式を用意する。両辺を引くと
となり、
となる。ここで確率密度
と定義すると、確率のカレント
と表すことができる。シュレディンガー方程式の場合と比較すると、
内積
確率密度
となる。
負のエネルギーとスピン
静止した粒子を考える。つまり
となり、
であり、負のエネルギーのときは、
となる。
とする。ただし、
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