力学と電磁気学の違い

一般的に物理を学ぶ場合、力学の次に電磁気を学びますが、急に複雑で難しくなり絶望してしまいます。(自分だけかも?)今後の学習の見通しを良くするため、力学との違いをまとめておきたいと思います。

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基本方程式から見てみる

基本方程式

力学の万有引力の方程式が、

F=Gm1m2r2

とシンプルなのに対して、電磁気学のマクスウェル方程式は、

divD=ρdivB=0rotH=i+BtrotE=Dt

と式が4つもある。式の意味は別として、なんでこんなことになるのだろう?

クーロンの法則

よく知られているように、2つの電荷に働くクーロン力(静電力)の式は、

F=kq1q2r2

となり、万有引力と同様に逆2乗の法則となっている。そうであれば、力学と電磁気学は同じ形式で記述できそうなところ、前途のように基本方程式はまったく違う形をしている。力学と電磁気学は、似ているけれども大きな違いがいくつもあり、そのことが基本方程式の違いとなっている。

力学との違い

違い① 引力だけでなく斥力がある

万有引力は、式にマイナス符号があるように引力しかないが、クーロン力は、2つの電荷が異符号の時はマイナス符号で引力となり、同符号の時はプラス符号で斥力となる。別の言い方をすれば、質量はプラスしかないが、電荷はプラスとマイナスがある。

違い② 万有引力はとても小さく電気力はとても大きい

日常生活で、万有引力は天体ほどの大きな物体でないと力を感じないが、電気力は僅かな電荷の違いでも大きな力を感じる。単位が異なるので単純な比較はできないが、それぞれの比例定数は、

G=6.7×1011[Nm2/kg2]k=9.0×109[Nm2/C2] 

であり、20桁も違う。

違い③ 場を使って近接作用で表される

万有引力やクーロン力の式は、ある物体が、遠く離れた別の物体に対して、瞬間的に力を及ぼす遠隔作用の力で表される。一方、マクスウェル方程式は、電荷が空間に力を伝達する「何か」を作り、その「何か」が時間を掛けて伝わることで別の電荷に力を及ぼす近接作用の力で表される。「何か」を場と言い、電荷が作る場を電場と言う。電磁気学からはじまった場の考え方は、相対性理論で重力にも導入されていく。

違い④ 電場だけでなく磁場もある

マクスウェル方程式は、電場だけでなく磁場も含まれる。電場が電気力の場であるように、磁場は磁気力の場である。電荷にプラスとマイナスがあるように磁気力にもS極とN極があり、引力と斥力がある。電場が変化すると磁場が発生し、磁場が変化すると電場が発生する。電場と磁場は密接な関係があり、違いはあるが対称的な形で式に表れる。

なぜ、万有引力では見られない、電気力と磁気力ような組み合わせが発生するのか。力学は相対性理論によって書き変えられたが、電磁気学はそもそも相対性理論が織り込まれている。電気力があまりに大きな力のため、電荷を持った物体がゆっくり動いただけで、その相対論の効果の補正として磁場が発生する。

使う数学も違う

力学は質点の運動をベクトルx(t)で表していたが、電磁気学は空間に広がる場の運動(変化)をベクトルE(x,t)で表す必要がある。時間だけでなく位置も変数として扱うので、変数が複数になる。したがって、数学で言うところの偏微分やベクトル解析の知識が必要となる。

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