素粒子と場の種類

場の量子論の勉強をはじめると、前置き無しにたくさんの粒子の名前が出てきて、ただでさえわからないのに混乱してしまいます。ここではとりあえず、標準理論で使われている素粒子の種類とそれに対応する場の種類を整理して、今後の学習の見通しをよくしようと思います。

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素粒子とは

内部構造を持たない(現在知られている理論の範囲内では大きさが無い)基本的な粒子を素粒子と言う。

素粒子の種類

素粒子は、パウリの排他原理が適用されるフェルミオン(もしくはフェルミ粒子)と適用されないボソン(もしくはボース粒子)に分類される。

フェルミオン(フェルミ粒子)

フェルミオンは、物質を構成する。物質は電子と原子核(陽子、中性子)からできていて、陽子、中性子はクォークからできている。電子とクォークは素粒子とされ、フェルミオンである。

フェルミオンは、強い力と相互作用するクォークとそうでないレプトンに分類される。電子は、最もよく知られたレプトンである。

クォークはアップクォークとダウンクォークが、レプトンはニュートリノと電子が、それぞれ電荷がちょうど1e異なり、対の関係になっている。さらに、それぞれ質量だけが異なる素粒子が存在し、世代と呼ばれる。世代は3世代ある。フェルミオンの種類のことをフレーバーと言い、合計12種類のフレーバーが存在する。

それぞれの粒子には電荷の符号が異なる反粒子が存在する。反粒子は粒子の名称の前に反を付けて区別する。例えばアップクォークの反粒子は、反アップクォークとなる。電子だけは例外で、電子の反粒子は陽電子と言う。

(1)クォーク(スピン1/2)


フレーバー 質量 電荷
1 u(アップクォーク)
d(ダウンクォーク)
5
8
+23
13
2 c(チャームクォーク)
s(ストレンジクォーク)
1,500
160
+23
13
3 t(トップクォーク)
b(ボトムクォーク)
174,000
4,250
+23
13

(2)レプトン(スピン1/2)


フレーバー 質量 電荷
1 νe(電子ニュートリノ)
e(電子)
~0
0.511
0
-1
2 νμ(ミューニュートリノ)
μ(ミューオン)
~0
105.7
0
-1
3 ντ(タウニュートリノ)
τ(タウオン)
~0
1,777
0
-1

ボソン(ボース粒子)

ボソンは、力を伝達するゲージ粒子と質量を説明するヒッグス粒子に分類される。反粒子は存在しない。

(1)ゲージ粒子(スピン1)

相互作用 素粒子 質量 電荷
電磁力 γ(光子) 0 0
弱い力 W±(Wボソン)
Z(Zボソン)
80.4
91.8
±1
0
強い力 g(グルーオン) 0 0

(2)ヒッグス粒子(スピン0)

電荷0のボース粒子。記号H0で表す。

ハドロン

ハドロンは、クォークが強い相互作用で結合してできる複合粒子である。(したがって正確には素粒子ではない)フェルミオンであるバリオンとボソンである中間子がある。

陽子と中性子はバリオンであり、記号は陽子がp、中性子がnで表す。反粒子は反陽子、反中性子と言う。中性子は電荷を持たないが、構成するクォークが反粒子の場合に反中性子となる。

中間子は、核力を伝達し、記号πで表す。

場の種類

素粒子を記述する場の波動関数は、ボソンがスピンや電荷の有無により4種類あり、フェルミオンとあわせて5種類ある。

スピン 電荷無し 電荷有り
0 実スカラー場ϕ
(π0,H0)
複素スカラー場ϕ
(π±)
1 実ベクトル場A
(γ,g,Z)
複素ベクトル場A
(W±)
12 スピノル場ψ
(フェルミオン)

波動方程式の名称から、スピン0のスカラー場をまとめてクライン-ゴルドン場、スピン1/2のスピノル場をディラック場とも言う。

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