ミンコフスキー空間

スポンサーリンク

ミンコフスキー空間とは

ミンコフスキー空間は、特殊相対性理論の時間と空間をあわせた4次元の時空を数学的に表した実ベクトル空間を言い、縦軸を時間軸\(ct\)、横軸を空間軸\(x\)とする。

ミンコフスキー空間でのローレンツ変換

ローレンツ変換後の時間軸\(ct’\)と空間軸\(x’\)がミンコフスキー空間でどのように表されるかを考える。\(\beta=v/c\)と置くと、ローレン変換は、

\begin{eqnarray}
ct’&=&\frac{ct-\beta x}{\sqrt{1-\beta^2}}\\
x’&=&\frac{x-\beta ct}{\sqrt{1-\beta^2}}
\end{eqnarray}

となる。ローレンツ変換後の縦軸\(ct’\)は\(x’=0\)なので、ローレンツ変換の2つ目の式より、

$$ct=\frac{1}{\beta}x$$

の直線となる。同様にローレンツ変換後の横軸\(x’\)は\(ct’=0\)なので、ローレンツ変換の1つ目の式より、

$$ct=\beta x$$

の直線となる。直線の傾きを\(\beta=\tan\theta\)とすれば、縦軸は時計回りに\(\theta\)、横軸は反時計回りに\(\theta\)回転するので、ミンコフスキー空間でのローレンツ変換は、斜交軸変換であることがわかる。

世界線

ミンコフスキー空間上での物体の軌跡を世界線と言う。

光円錐

ミンコフスキー空間上の直線の傾きは、物体の速度を表す。特に傾き\(\pm\)45度は\(ct=\pm x\)で光速を表し、原点を通る\(\pm\)45度の直線を光円錐と言う。光速を超える物体は無いため、原点の物体の世界線は、必ず光円錐の内側で収まる。このことから、\(ct\)軸のプラス側の光円錐は原点の物体と因果関係が成り立つ未来を、マイナス側の光円錐は原点の物体と因果関係が成り立つ過去を表し、光円錐の内側の範囲を時間的、光円錐の外側の範囲を空間的と呼ぶ。

ミンコフスキー空間上の距離

ローレンツ変換の不変量\(c\tau\)は、

$$(c\tau)^2=(ct)^2-x^2$$

より、ミンコフスキー空間上の原点からの距離と見なせ、\((0,\pm c\tau)\)を頂点、\(ct=\pm x\)を漸近線とする双曲線となっている。これはユークリッド空間における原点から等距離を表す円に相当し、双曲線が光円錐の外に出ることが無いのは、常に\((ct)^2>x^2\)であることを表している。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です