ルジャンドル変換とハミルトニアン

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ルジャンドル変換

ルジャンドル変換とは、2つの対称的な関数の関係を表す数学の公式である。まず、物理的な意味は考えずに2種類の関数LH
p=L(q˙)q˙q˙=H(p)p
で定義する。すると、それぞれの関数の全微分は、
δL(q˙)=Lq˙δq˙=pδq˙δH(p)=Hpδp=q˙δp
となり、両辺を足すと、
δ(L+H)=pδq˙+q˙δp=δ(pq˙)
となる。ここで、任意のδpδq˙でこの式が成り立つ条件は、
L+H=pq˙
となる。対称的な関数の変換式
H=pq˙L
が求まり、この変換をルジャンドル変換という。

ハミルトニアン

ここから物理に戻る。ラグランジアンLの変数q˙pにルジャンドル変換して求まる関数Hハミルトニアンと言い、
q˙=H(p,q)p
で定義される。関数Hの物理的な意味は、ラグランジアン
L=12mq˙2V
をルジャンドル変換すると
H=pq˙L=Lq˙q˙L={q˙(12mq˙2V)}q˙(12mq˙2V)=(mq˙)q˙12mq˙2+V=12mq˙2+V=12mp2+V=K+V
となるから、関数Hが力学の全エネルギーを表すことがわかる。

運動量

変数pの物理的な意味は、ルジャンドル変換におけるpとラグランジアンの関係式
p=L(q˙,q)q˙
が、以前に導出したラグランジアンと運動量の関係式と同じであることから、変数pが運動量を表すことがわかる。実際にハミルトニアンの定義式に
p=mv
を代入して計算すると
H(p,q)p=p(12mp2+V(q))=pm=v=q˙
となり、確かに変数pが運動量を表すとき、この定義式が成り立つ。

変数の扱い

ハミルトニアンや運動量の定義式より、pq˙を明確に使い分ける必要がある。したがって、例えば運動エネルギーを用いる場合、ラグランジアンを記述する際はpではなくq˙を使用し、ハミルトニアンを記述する際はq˙ではなくpを使用することに注意する。具体的には、ラグランジアンが
L(q˙,q)=12mq˙2V
の時、ハミルトニアンは
H(p,q)=12mp2+V
となる。

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