実ベクトル場の量子化(質量=0の場合)

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実ベクトル場の量子化(質量=0)

電磁場の方程式を満たす実ベクトル場の量子化(質量=0)は、実スカラー場の量子化を参考に

Aμ=d3k(2π)3212ωkλ(aλ,kελ,kμeikx+aλ,kελ,kμeikx)

となる。

ラグランジアン密度

場のラグランジュ方程式に代入すると、電磁場の方程式が再現されるようにラグランジアンを考えると、

L=14FμνFμν

となる。実際に計算してみると、

LAνμL(μAν)=14{Aν(νAμμAν)(νAμμAν)μFμνFμνFρσFρσ(μAν)}=14{0μF2Fρσ(σAρρAσ)(μAν)}=14μ(2Fρσ)(δσμδρνδρμδσν)=12μ(FνμFμν)=12μ(Fνμ+Fνμ)=μFνμ=μ(μAννAμ)=◻Aνν(μAμ)=0

となり、確かに電磁場の方程式が導かれる。ただし、上記のラグランジアンには問題がある。Aに正準共役の運動量πμは、

πμ=L(0Aμ)=14FμνFμνFρσFρσ(0Aμ)=14F2Fρσ(σAρρAσ)(0Aμ)=12Fρσ(δσ0δρμδρ0δμσ)=12(Fμ0F0μ)=12(F0μF0μ)=F0μ=(0ExEyEz)

となり、時間成分であるπ0が恒常的に0となってローレンツ不変性を壊してしまう。これを解決するため、ラグランジアンに任意の定数αを含む項を追加し、

L=14FμνFμν12α(μAμ)2

とする。追加した第2項はゲージ固定項と呼ばれる。ゲージ固定項を場のラグランジュ方程式に代入すると、

12α(μAμ)2Aν+12αμ(μAμ)2(μAν)=0+12αμημνημν(μAμ)2(μAν)=12αν(μAμ)2(μAμ)=1αν(μAμ)=0

となり、第1項を含めた電磁波の方程式は、

◻Aν(11α)ν(μAμ)=0

となる。最後に任意の定数であるαに1を選択すれば、

◻Aν=0

となり、ローレンツゲージを採用した電磁波の方程式となる。α=1を選択することをファインマンゲージと呼ぶ。ファインマンゲージのラグランジアンは、式変形でより簡単に表すことができ、

L=14(νAμμAν)(νAμμAν)12(μAμ)2=14(νAμνAμνAμμAνμAννAμ+μAνμAν)12(μAμ)2=14{2(νAμνAμ)2(νAμμAν)}12(μAμ)2=12{νAμνAμνAμμAν+(μAμ)2}

となる。ここで第2項を部分積分し、Aμ(±)で0になることから表面項を落とすと、

dx4νAμμAν=dx4Aμν(μAν)+[AμμAν]

となるので、ラグランジアンは、

L=12{νAμνAμ+Aμν(μAν)+(μAμ)2}=12{νAμνAμ+Aμμ(νAν)+(μAμ)2}

となる。ローレンゲージμAμ=0より第2項、第3項は0になるので、最終的にファインマンゲージを採用したラグランジアンは、

L=12νAμνAμ

となる。

Aに正準共役の運動量π

ファインマンゲージのラグランジアンで考える。Aに正準共役の運動量πは、

πμ=L(0Aμ)=12(νAμνAμ)(0Aμ)=12(A)2(νAμ)(νAμ)(0Aμ)=νAμδ0ν=0Aμ=A˙μ

となる。ファインマンゲージを選択したことで、確かにπμの時間成分が現れる。

ハミルトニアン

A0=0と固定した場合

最初に電磁場の方程式で見たように、A0=0と固定したローレンツゲージ(ファインマンゲージ)の場合を考える。ルジャンドル変換より、

H=dx3(πμA˙μL)=dx3{A˙μA˙μ+14FμνFμν+12(μAμ)2}=dx3{A˙2+14(2E2+2B2)+12(μAμ)2}=dx3{A˙2+12(E2+B2)+12(μAμ)2}

となる。ここで第1項は、A0=V=0より

E=VAt=A˙

であるから、

A˙2=(0A˙)(0A˙)=E2

となり、第3項はローレンツゲージμAμ=0より0になるので、

H=12dx3(E2+B2)

となる。被積分関数は、電磁気学で見た電磁場のエネルギー密度になっている。

ベクトルポテンシャルで表した場合

ルジャンドル変換より、

H=dx3(πμA˙μL)=dx3(A˙μA˙μ+12νAμνAμ)=dx3{A˙2+12(0Aμ)(0Aμ)+12(Aμ)(Aμ)}=dx3{A˙2+12A˙212(A)2}=12dx3{A˙2+(A)2}

となる。

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