多粒子系の量子力学

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多粒子系の波動関数

量子力学で、相互作用しないN個の同種粒子を考える場合、全体の波動関数は、

Ψ=ψ1ψ2ψN

の様に個々の粒子の波動関数の積で表される。これは、1粒子の波動関数が、

ek(x+y+z)ωt=ekxekyekzeωt

のように、自由度の変数毎に積の形となっていることを考えれば自然だと言える。つまり、複数粒子の波動関数は、時空間で考えれば4N次元の波動関数となっている。Ψをシュレディンガー方程式に代入してみると、

H^Ψ=it(ψ1ψ2ψN)=(iψ1tψ2ψN)+(ψ1iψ2tψN)++(ψ1ψ2iψNt)=ω1(ψ1ψ2ψN)+ω2(ψ1ψ2ψN)++ωN(ψ1ψ2ψN)=(ω1+ω2++ωN)Ψ

となり、もし個々の粒子のψがエネルギーの固有関数となっていれば、全体のエネルギーは、個々の粒子のエネルギーの和となる。

同種粒子の入れ替え

複数粒子の波動関数で、i番目とj番目の粒子を入れ替えることを考える。入れ替える前の波動関数をψi,j、入れ替えた後の波動関数をψj,iとする。同種粒子の場合、入れ替えても区別をつけることは不可能であるから、全く同じ状態を表す。波動関数は、2乗して同じであれば、物理的に同じ状態を表すので、

Ψi,j=±Ψj,i

の関係がある。

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